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CIMX NEWS ・ PRESS RELEASE
 

Kyotoを超える 第5部 原油高を「好機」に
中小、規制を「先取り」  無駄な電力抑え効率化 


新聞  | 日経産業新聞 2006年2月17日
 

  モノづくりに励む金型工場で、工程で使うエネルギーをデータベース化した省エネの取り組みが進んでいる。例えば横浜市に本社工場を持つシムックス。省エネ法の規制がかからない中小企業だが、独自の工夫を生産効率の向上にまでつなげる。「規制待ち」ではない中小製造業の姿勢が、原油高の局面で成果を出し始めた。

 シムックスの中島高英社長はかつて、電気代を”使途不明金”と呼んでいた。「誰がいつどのように使ったか、生産活動にどれほどの価値をもたらしたかがはっきりしない」ためだ。
  自動車部品などの金型を生産する本社工場。工場内に点在する配電盤の扉を開けると、ブレーカー一つ一つに小さな白い箱が付いている。扉の裏には黒いボックス。”使途不明金”を解決するカギがここにある。
  白い箱の正体は金型製造に使う放電加工機やマシニングセンターなどの生産設備が使う電流・電圧の計測器。それぞれセンサーを内蔵しており、扉の裏の黒いボックスで電気使用量に換算する。無線LAN(構内情報通信網)を通じ、秒単位で各生産工程の電気使用量をデータベース化できる仕組みだ。三年前に独自に開発して導入した。

 バブル期以降受注が落ち込むなか、目に留まったのが毎月百万円以上口座から自動的に引き落とされる電気代だった。「ボールペン一本の経費も節約しているのに、電気を何に使っているのか見直していなかった」と中島社長は振り返る。
  使途を解明すべく、さっそく各生産設備の電気使用量を計測した。社員が実際に金型加工のために設備を使った時間も調査。すると「消費電力量の半分が待機電力だった」(中島社長)。社員が生産設備の電源を入れたまま、休憩で現場をたびたび離れていることも判明。コンプレッサーの配管の空気漏れも含め、無駄遣いの実態を初めて目の当たりにした。
  危機感を強めた中島社長は2001年にシステム開発の直轄組織を立ち上げ、外部からソフト開発などの経験者も呼び寄せて開発を進めた。一定時間使用しないと自動的に電源が切れるよう、生産設備に改良も施した。
  「効果はてきめん」(中島社長)。集計したデータを基に社員に省エネを指導し、”無駄遣い”を根絶できるからだ。顧客の設備投資意欲の向上で、同社の05年3月期の売上高は約八億円と前の期に比べて三割増えたが、年間電気使用量は約70万キロワット時と横ばいに抑えることに成功した。
  労働時間一時間当たりの売上高も、システム導入前に比べて36%増加。受注増だけでなく、電気使用量に社員一人ひとりが敏感になることで、「生産効率が改善して増収につながった」と中島社長は胸を張る。
  同社は省エネ法で電気使用量を規制される「電気管理指定工場」ではない。にもかかわらず取り組んだ省エネの成果を、中島社長は原油高の局面で実感した。システムを導入せずに生産増で電気使用量が増えていれば、「原油高で値上げになった電気代がかさみ、減益になりかねなかった」(中島社長)という。





 

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