昨年、スウェーデンのシステム3Rを訪問した。ワイヤー放電の冶具でおなじみの会社である。システム3Rは冶具だけでなく、ソフトの開発販売も行っている。CADCAMではなく自動化のソフトで、セル・マネージャーとい名前で日本でも販売されている。
今回の訪問の目的は、セル・マネージャーとカサブランカⅡとのドッキングのための仕様打ち合わせであった。
開発マネージャーと担当者との忌憚のない意見交換ができた。システム3Rの工場の向かい側に、ソフト開発の建屋があった。CiMXと変わらないくらいこじんまりしていた。メンバーと話をしていても、同じ釜の飯を食べているようで妙に気があった。
私の持っていたデジカメを見て、彼らから「日本には、何社のデジカメメーカーがあるのか?」「どうしてそんなに同じものを作る会社が日本にあるのか?」と質問された。
そういわれてみれば、私は日本メーカー以外のデジカメメーカーを知らない。日本のお家芸である製造業のひとつの象徴みたいに世界に誇る製品の代表格である。ところが、彼らからは「競合がたくさんあるものを作ることは、過当競争になり面白みがない」「日本人は何を考えているのかわからない」と言われた。
遠い北欧からみると、日本は不思議な国に見えるようだ。
私は、バイキングの子孫たちに大いに興味をもった。スウェーデンという国に白夜と社会保障というイメージしか抱いていなかったが、それは大きな間違いだと気がついた。
ストックホルムで博物館を見て愕然とした。産業革命を支えた鉱業技術が発達していて、それが牽引力となって工業技術も大変進んでいた。その血が現在も脈脈と流れていることに気がついた。人口800万人、東京よりも小さな国で多数の工業製品が生まれ、世界中で使われている。
第二次世界大戦で、中立国は3S(スイス、スペイン、スウェーデン)である。スウェーデンは自国の武力でナチスの侵略を止めた唯一の国でもある。彼らの大砲は命中率が高かったことがその要因になっている。1700年代から鉱工業の進んだ技術がそれを実現していったのである。
小さな国という制約条件を、進んだ技術とオリジナルを大切にする心でグローバルニッチの市場の製品を作り高い付加価値を生み出した。その高い付加価値は社会保障の整った国を作っている。
日本は世界の大国を目指し少子化を嘆くよりも、16分の1の国を見習ったほうが良いように思えた。
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