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NAKAJIMA COLUMN
 
社長の一口コラム

見えているようで見えていない


2003年06月18日
 

 町を歩いたり、電車に乗ってみて気がついたのだが、女性のスカート姿がめっきり少なくなった。冬は寒さのせいかなと気にも留めなかったが、春が過ぎて夏になるのに、かえって、スカート姿が減っているように感じる。どうも季節のせいではないらしい。
  ファッションは一過性の流行だが、今回のスカート激減はそれとは違い、もっと奥深いような気がする。自分の女房もこの何年間かスカートをはいていないと言っていた。そういえば、そうだったなあと改めて自分の女房への関心の低さを再認識してしまった。
  変化は日々起きている。変化に気が付くには2つの方法がある。直感とデータ比較である。データがないものは、直感に頼るしかない。直感といっても、偶然性ではなく、各自の頭の中に問題意識がないと勘も働かない。
  我々は直接関係ないことや関係ないと思い込んでいるもの、また重要なことでもすぐには関係ないと思うものには、変化していることすら気が付かないでいる。
  たとえば、日本国の財政危機は新聞で見ることがあっても、自分には直接関係ないし、こちらでは手の出しようがないと決めつけて無視をしてきた。ところが、この夏の賞与の手取りが減るとなると関係ないとは言っていられない。年金や保険の料率が変わり、実質的な増税がいつのまにか実施されている。
  財政危機が起きた原因は、国の経営の仕方が悪かったからである。構造改革はそれを改めるためのものという期待があったが、有効的な改革は未だに何もされてい ない。
  東京電力の原子力発電所の運転が止まっているために、この夏関東地方では電力危機が問題になっている。とは いっても、毎日安定した電力のもとに暮らす我々は、その危機感すら持たないでいる。
  北朝鮮の拉致問題も20年も前に起きたことが、今現実の問題になってきている。この20年の間、気付かないでいたか、自分とは関係ないということで関心の外に置いてきた。
  どうやら、皆、自分の身の周りで起きていることが、自分に結びつくまで放っておくものらしい。会社でも同じことである。誰が考えても高い給与に値しない人が居ても、会社が赤字になっても、自分の給料が変わらない限り気が付かないふりをして、従来のやり方を変えないでいる。
  自分と他人との関係、周りとの関係を考えないことが当たり前になっている。自分の頭で関係を考えることがなくなっている。思考停止状態である。思考の機能停止状態になってしまったのが今の日本である。
  機能停止のままではデータのない変化に一向に気が付くことが出来ないし、データがそろい、問題提起されたとしても、錆びつき何の反応もなくなってしまうのではないだろうか。

中島高英


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